組 織
ORGANIZATION
超臨界流体研究委員会
概要
超臨界流体という未知の物質状態が発見されたのは今からおよそ200年前のことです。その後、1800年代後半になり超臨界流体の良くものを溶かす性質が明らかにされました。これをきっかけとして、超臨界流体の溶媒としての研究が急速に進み、超臨界流体の工業的応用が広く知れ渡ることとなりました。そして現在では、超臨界流体の応用分野は、分離・抽出のみならず、有機合成、機能性加工、材料形態制御等、多岐にわたっており、現在も新たな分野への挑戦が世界で続いています。
一方、繊維業界においても、1991年にドイツで超臨界二酸化炭素を用いた染色方法が発表され、業界に大きなセンセーションを巻き起こしました。この染色法では、助剤が不要、未固着染料が粉末で回収できる、廃液が全く出ない、乾燥工程も不要など、正に理想的な染色法として注目を集めました。その2年後にはプラント機を用いた染色の実演も行われ、目の当りにした研究者は染色業界のブレークスルーを肌で感じました。さらに、KIKEやadidasが世界で初めての商業用の超臨界染色機を開発・製造したオランダのDyeCoo Textile Systemsと戦略的パートナーシップを締結したことから、このニュースは超臨界流体を繊維に応用することに限界を感じ始めていた日本の企業や研究者を奮い立たせると同時に、先を越されたという悔しい思いをもたらしました。そのような中、我々超臨界流体研究委員会は2000年の設立以来今日まで、研究と情報交換を地道に積み重ねてきました。そして、超臨界染色はもちろんのこと、超臨界二酸化炭素中での延伸によりポリエステル(PET)の強度向上や、超臨界二酸化炭素を用いる繊維の微細発泡技術、繊維への機能剤注入、ポリマーコーティング、脱染料による繊維のリサイクル、ドライクリーニングなど様々な応用について基礎研究を行い、具体的な応用研究にも取組み、多くの成果を残してきました。今後は、今までの研究成果を応用させるため、産官学を挙げた実用化が急務となっています。
入会のすすめ
超臨界流体研究委員会は、繊維製造・加工・販売、繊維加工機械の製造販売、産業用機械の製造販売・エンジニアリングを中心とする10の企業と3府県の公設試、8大学の委員から構成されています。繊維関連の研究だけでなく、超臨界流体を用いたフィルム等の高分子材料の加工に興味のある方のご入会をお待ちしています。
イベント (過去分も含む)
- 超臨界流体部会第23回サマースクール「シン超臨界流体技術」(2024年9月18日(水)~19日(木)開催)
- 日中繊維シンポジウム (2023年12月11日(月)~12日(火)開催)
- 第29回超臨界流体研究委員会 (2023年3月7日(火)開催)
- 第28回超臨界流体研究委員会 (2022年3月8日(火)開催) 申込書
第28回超臨界流体研究委員会 ~超臨界流体を用いた応用化技術~ (2020.3.10日(火)開催)
第28回超臨界流体研究委員会の中止について- 繊維技術活性化協会講演会(協賛)(2020年1月20日(月)開催) 申込書
- 第27回超臨界流体研究委員会(2019.3.26開催)
- 第1回超臨界二酸化炭素染色および加工に関する国際シンポジウム 1st ISSDF(2018.10.10-12開催)
1st ISSDF リーフレット - 第26回超臨界流体研究委員会(2018.1.24開催)
- 第25回超臨界流体研究委員会(2017.3.31開催)
- 第24回超臨界流体研究委員会(2016.7.28開催)
- 第23回超臨界流体研究委員会(2016.3.1開催)
- 第22回超臨界流体研究委員会(2015.5.20)
- 共催講演会 (2014.11.28)
- 第21回超臨界流体研究委員会(2014.6.10)
- 第20回超臨界流体研究委員会(2013.6.6)
- 国際ミニシンポジウム2013(2013.9.5-6)
- 第19回超臨界流体研究委員会
- 第18回超臨界流体研究委員会
- 第17回超臨界流体研究委員会
- 第16回超臨界流体研究委員会
- 第15回超臨界流体研究委員会
- 第14回超臨界流体研究委員会
- 国際ミニシンポジウム2008
- 第13回超臨界流体研究委員会
研究委員会役員
委員長 | 大阪成蹊短期大学 澤田 和也 |
副委員長 | 京都市産業技術研究所 杉浦 和明 福井大学 廣垣 和正 |
監 事 | 京都工芸繊維大学 奥林 里子 |
顧 問 | 福井大学 堀 照夫 |
連絡先(事務局など)
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 先端ファイブロ科学部門
奥林 里子
TEL: (075)724-7367, FAX: (075)724-7337
e-mail: okubay[at]kit.ac.jpp ※atは@に変えてご連絡ください。