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創立80周年記念国際シンポジウムISF2024に向けて
Toward the 80th Anniversary International Symposium, ISF2024
年始早々、数千年に1度という規模で能登半島地震が発生し、連日報道される大きな被害に心が痛みます。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
大きな自然災害のほか、地球温暖化、環境問題などが社会に深刻な影を落とす昨今、パラダイムシフトを実現すべく、これまで以上に広域・多分野での連携とコミュニケーションが重要になっています。繊維科学・技術分野は、繊維やテキスタイルそのものの基礎・応用研究を機軸としつつ、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、AI/ICT テクノロジー、さらには人文社会科学との境界領域にも広がりをみせ、上記グローバル課題の解決にも貢献できると考えます。鍵は、科学・技術基盤の強化と異分野連携です。その一助となることを念頭に、繊維学会創立80周年記念事業として10年ぶりに国際会議 International Symposium on Fiber Science and Technology 2024(ISF2024)(秋季研究発表会併設)を開催することとなりました。日本化学繊維協会、日本繊維機械学会、日本繊維製品消費科学会にも協賛いただく予定です。現在、櫻井伸一実行委員長を中心に準備を進めていただいており、まもなく学会ホームページ等を通して案内いただきます。
会場:京都テルサ
スケジュール(予定)
1日目 ウェルカムパーティー
2日目 オープニング/基調講演/一般発表
3日目 特別セッション/一般発表
4日目 (秋季研究発表会合同)特別セッション/ポスター発表/企業展示/バンケット
5日目 秋季研究発表会口頭発表
国際会議発表申込:3 月末締め切り(お忘れなく!)
繊維の科学と技術に関する研究開発が急速かつグローバルに展開される中、本国際会議では、世界中から多様なステークホルダーが集い、最新の研究成果を発表・議論し、情報交換と人的交流を促進する場を提供します。特に、日本の中で繊維産業の規模は縮小傾向にあるとはいえ、当該分野の日本の高い技術力、研究開発力は世界が認めるところであり大きな注目を集めるものと期待されます。また、現在の日本の立ち位置を確認し、世界に向けて日本の実力を再発信するためにも、意義深いものと考えます。大田康雄会長のリーダーシップの下、本年度新たに、将来構想委員会(奥林里子委員長)と国際連携委員会(木村睦委員長)が立ち上がり、学会のビジョン/ミッション、魅力度向上や、グローバル化/国際的プレゼンス向上が議論されています。本国際会議が新たな一歩を踏み出す契機にもなればと思っています。グローバルな情報発信という観点では、Journal of Fiber Science and Technology(JFST)との連携も検討いただいています(鬘谷要 JFST編集委員長)。単なる数あわせではなく繊維に関わる重要な進歩や発見の効果的発信という観点から、ジャーナルインパクトファクター(JIF)の向上にも繋がればと期待します。
これらの趣旨や議論を踏まえ、10分類の一般セッションに加えて、3つの特別セッションが設定されます。
【Tradition and Culture of Fibers and Textiles】昨年の秋季研究発表会(櫻井実行委員長)が「文化庁京都移転元年:繊維学会と繊維文化の新たな歩み」というテーマで盛会に開催されましたことは、皆様のご記憶に新しいことと存じます。その成功に加えて、日本の伝統文化が世界的にも注目を集めていることに鑑み、本テーマを京都の地で議論することは、海外からの参加者にとって魅力あるものに違いありません。
【Sustainable and Environmentally-Benign Fiber Science and Technology】天然繊維やバイオベースマテリアルが注目され、SDGsやサーキュラーエコノミーの観点も含め、産官学での研究開発が加速しています。このホットなトピックスについて招待講演を軸に多くの一般講演が連動し活発な議論が期待されます。
【International Collaboration】具体的なテーマは国際連携委員会で検討いただいているところです。繊維学会の将来展望においても、国際連携はますます重要な課題です。ご参加いただければ、新たな視点を読み取っていただけるものと確信します。国際会議を契機として、産官学界の「総合知」を取り入れ、繊維をキーワードとしたグローバルな課題解決に向けた議論や協働が活発化するとともに、繊維学会の次の 10年の展望が広がることを期待しています。これを実現するためには、多くの方々のご参加が不可欠であり、活発な議論と交流が欠かせません。皆様の奮ってのご発表、ご参加を心よりお願い申し上げます。
最後になりましたが、大田会長のもと企画担当の副会長を務めて半年が経ちました。この間、理事会、将来構想委員会、企画委員会などの議論に参加し、繊維学会が抱える問題もさることながら大いなるポテンシャルも実感したところです。皆様の思いの詰まったISF2024となるよう、櫻井実行委員長とともに企画担当として努力する所存です。よろしくお願い致します。
辻井 敬亘(京都大学 化学研究所 教授)
*繊維学会誌2024年2月号、時評より
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