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2025年度年次大会開催に向けて〜会員の交流の場として〜
Towards 2025 Annual Conference: A Place for Members to Interact with Each Other
2024年度は学会創立80周年の節目となる年でしたので、京都での国際会議をはじめとして繊維学会の会員全員が全力で取り組んだ一年だったと思います。2025年度は新しい10年に向けた最初の年になります。そのため、今年の繊維学会年次大会は多くの会員が集い、学会の未来を考える重要な場となるはずです。学術の方向性を議論し、繊維関連産業の動向を把握する機会であることはもちろんのこと、異なる分野や世代の研究者と新たに知り合う機会にもなるでしょう。学会の将来構想やロードマップを考える際に挙がる多くの新たなイベントやアイデアは、すでに年次大会の中に取り入れられているのかもしれません。
コロナ禍におけるオンライン開催やハイブリッド開催を経て、年次大会は2年前から対面開催へと移行しています。移動にかかる時間や費用、さらには実行委員の準備負担の増加といった課題はあるものの、毎年同じ時期に同じ学会の会員が一堂に会し、意見を交換できる機会は非常に貴重だと思います。学術の進展は、多様な研究者の交流と対話によって促進されるものです。学問の深化にとどまらず、会員同士のネットワークがさらに強固なものとなることを願っております。2025年度繊維学会年次大会は6月11日から13日までの3日間、タワーホール船堀(東京都江戸川区)にて、下記9分野とポスターセッションの全10セッション構成で開催いたします(括弧内はセッション担当実行委員)。
1. 繊維・高分子材料の創製(橘熊野、土屋康佑)
2. 繊維・高分子材料の機能(兼橋真二、木村謙斗)
3. 繊維・高分子材料の物理(犬束学、松田靖弘)
4. 成型・加工・紡糸(入澤寿平、宝田亘)
5. 染色・機能加工・洗浄(稲田文、平田豊章)
6. テキスタイルサイエンス(雨宮敏子、朱春紅)
7. 天然繊維・生体高分子(上谷幸治郎、坂元博昭)
8. ソフトマテリアル(黒川成貴、後関頼太)
9. バイオ・メディカルマテリアル(矢澤健二郎、吉川千晶)
10. ポスターセッション(赤坂修一、秋岡翔太、磯辺篤)
発表件数は、総数334件(特別講演1件、招待講演11件、口頭発表136件、ポスター発表186件)と、大変多くの皆様に発表を申し込んでいただいております。特に、昨年度からポスター発表の件数が大幅に増加しているのは、若手研究者(主に学生会員)にとっての発表や表彰の機会として広く認知され始めているためだと考えております。各セッションにおいて、口頭発表とポスター発表の時間帯が重ならないようプログラムを調整しております。ぜひ、興味のある発表に積極的に足を運んでいただければと思います。また、ポスター会場では、例年通り学会関連企業の展示ブースを設置し、製品のデモや説明を行っていただく予定です。研究シーズの発掘や業界研究、産学連携の足掛かりとなることを願っております。さらに、第11回(令和6年度)学会奨励賞受賞者の受賞内容をポスター掲示していただく予定です。活気あふれるポスター会場となることを、心より期待しております。
今年度の特別講演は、大会1日目にSpiber株式会社の関山和秀様にお願いしております。クモの糸に含まれるタンパク質に着目した基礎研究からスタートし、アパレル、自動車、化粧品など多岐にわたる分野のメーカーと共同で製品開発に成功し、社会に大きなインパクトを与える製品を多数生産されています。繊維に関する基礎研究から社会実装までを一貫して実施されており、繊維学会に相応しい内容です。ぜひ、多くの皆様に聴講していただければ幸いです。特別講演の後には、意見交換の場として懇親会を開催する予定ですので、ご参加いただきますようお願い申し上げます。さらに、2日目の夕刻には昨年度に引き続き、「ポスター賞授与式・若手研究交流会」を開催いたします。「若手研究交流会」は、2019年度まで行われていたワインパーティーに相当するイベントです。今年度も年次大会に参加登録された方は無料で参加できるように設定しておりますので、ぜひ奮ってご参加いただきますようお願い申し上げます。
現在、実行委員と事務局を合わせて29名のメンバーが協力しながら、有意義な大会となるよう準備を進めております。お忙しい時期ではございますが、ぜひ多くの皆様にご参加いただき、活発に交流されることを期待しております。最後になりますが、今大会への発表を申し込まれた皆様、招待講演をお引き受けいただきました先生方、また展示や広告にご協力を賜りました企業関係者の皆様に深く御礼申し上げます。6月にタワーホール船堀でお会いできることを楽しみにしております。
道信 剛志(東京科学大学 教授)
*繊維学会誌2025年4月号、時評より
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